使用のマグネットについて
磁力について
磁力は同種類の磁石であれば、容量が大きい物の方が強いことになります。ただ、容量が大きいと重くなるので、実際に鉄板に貼ってみると、磁力数値ほどの違いは見られなくなります。
フェライト磁石には、磁力の特性により、等方性(とうほうせい)フェライト磁石と異方性(いほうせい)フェライト磁石があります。
等方性とは、全方向(前後・左右・上下)に等しい磁力があるものをいい、異方性とは、ある方向だけ(例えば上下だけ)に磁力があるものをいいます。方向を集中している分、異方性磁石の方が磁力は強力です。 ゴム磁石もフェライト磁石の粉末を利用していますので、等方性と異方性があり、特性はフェライト磁石の場合と変わりません。
フェライト磁石について
フェライト磁石はインジェクション成形で製造され、安価なため、広く一般的に多く使用されている磁石です。
よく目にする、黒い石のようなものです。
コスト要因だけでなく、適度な磁力があり、樹脂部分との接着性もそれほど悪くなく、重量と磁力のバランスが良い、使い易い磁石ともいえます。
弊社で多く使用しているのは異方性フェライト磁石です。丸直径15mm厚さ4mmのものと、丸直径20mm厚さ4mmを使用しています。
丸直径20mm厚さ4mmのものは金属カバー付でも使用し、それにより一層の磁力アップを実現しています。
等方性フェライト磁石はジャンボマグネットクリップに使用し、磁力は磁石を大きくすることによって補っています。
樹脂部分とは、ボンド等の接着剤を使用し固定しています。弊社では長年の経験により、経年変化が少ないものを使用しています。
ゴム磁石について
ゴム磁石とは、一般的にはフェライト磁石の粉末とゴムを混ぜ合わせ、押出成形で製造されたものです。
別名フェライト・ラバー・マグネットともいい、薄いシート状のものはマグネットシートとも呼ばれます。
安価で加工性がとても良く、接着性も一番良いといえます。但し、磁力は弱いため、磁力を確保するには大きさを確保しないといけません。
弊社の場合、マグネットグッズには、より強い異方性ゴム磁石を使用して、磁力を確保しています。
樹脂部分との接着は、両面テープを使用する場合が多いです。
ネオジウム磁石
ネオジウム磁石とは、ネオジム・鉄・ボロンなどを主成分とする希土類磁石のひとつで、とても錆びやすいため表面はニッケルメッキで覆われています。
非常に強い磁力を持ち、最近では電気自動車やハイブリットカーの高性能モーター部品として使用され、需要が急拡大しています。
2011年の中国による希土類(レアアース)の輸出規制により、価格が高騰しました。
磁力が強いため、加工時の取り扱いが難しく、樹脂との接着にも商品の構造自体に工夫が必要です。
樹脂との接着には高機能ボンド(エポキシ系接着剤など)を使用し、加工性も悪くなります。
磁石の選定
磁力の強さで並べると、ネオジウム磁石>異方性フェライト磁石>等方性フェライト磁石>異方性ゴム磁石>等方性ゴム磁石、となります。 価格も同じ順に並びますが、現状ではネオジウム磁石が飛びぬけて高価で価格が不安定になります。
強い磁石の採用=強い磁力のマグネットグッズ、ということになる訳ではありません。
ネオジウム磁石は磁力が強いですが、磁力が強いために大きくすると加工性が極端に悪くなります。 ですから、他の磁石よりも小さな磁石になりますので、磁力は他のマグネットと比べて、大きく変わることはなくなります。
安価で加工性が良いゴム磁石は採用しやすいですが、構造的に接着面が大きくないと磁力を確保できません。
これらの磁石を広告・宣伝のためオリジナル印刷をすることを前提にしたマグネットグッズを開発するときに、どの磁石を選ぶかは長年の経験からくるノウハウとなります。
目的にあった磁力を確保でき、コスト面でもより安価な磁石を採用することが、マグネットグッズとして配布された後に、多くが冷蔵庫に貼られて、また長期間使用していただける商品になると、弊社では考えております。